大陰唇の黒ずみはなぜ起こる?原因と4種類の治療方法
大陰唇の黒ずみは、多くの女性が抱えているお悩みのひとつです。主に摩擦や体型、ホルモンバランスやターンオーバーの乱れが原因となって現れます。
デリケートゾーンが黒ずんでいたとしても、体に直接影響を及ぼすものではありません。しかし、大陰唇の見た目を整えることで、QOL(生活の質)の向上にもつながるため、クリニックでのケミカルピーリングやレーザー治療を検討することをおすすめします。
この記事では、大陰唇の黒ずみの原因とクリニックでの治療方法について、詳しくご紹介します。デリケートゾーンの黒ずみにお悩みの方は、ぜひ最後まで読んでみてください。
大陰唇の黒ずみの原因は?
デリケートゾーンとは、ショーツで隠れる範囲の膣周辺の部位のことです。大陰唇は、その中でもっとも外側に位置している、左右対になっている膨らみの部分を指します。
大陰唇の外側部分には陰毛が生えるため、黒ずんでいてもわからないケースもありますが、近年はデリケートゾーンの脱毛が一般的になってきており、黒ずみを気にする方も増えているようです。
では、なぜ紫外線などの影響を受けない大陰唇が黒ずんでしまうのでしょうか。ここでは、その原因として考えられることを4つご紹介します。
摩擦
トイレットペーパーでデリケートゾーンを拭く際に擦りすぎたり、歩くときに下着と擦れたりすることで、大陰唇は絶えず摩擦を受けています。
大陰唇や小陰唇など、デリケートゾーンの皮膚は他の部分に比べて薄い上、メラニン細胞が活発です。長期間にわたって摩擦による刺激を受けると、メラニンが活性化して「炎症後色素沈着」と呼ばれる黒ずみが現れることもあります。
普段無意識に行っているカミソリによるアンダーヘアの自己処理なども、埋没毛を引き起こして色素沈着や皮膚の炎症の原因となり、黒ずみにつながる可能性があるでしょう。
他にも、生理用ナプキンを経血がついた状態で長時間放置していると、蒸れたりかゆみが生じやすくなったり、摩擦で炎症が起きたりして黒ずみの原因となります。特に経血量が多い日は、ナプキンをこまめに取り替えて常に清潔な状態を保つことが重要です。
体型
痩せている方は、座ったときに圧力が一ヶ所にかかりやすく、大陰唇が擦れて黒ずみやすくなる場合があります。
また、太っていた方が急に痩せるなど体型が急激に変化すると、デリケートゾーンにたるみが生じてシワができたり、黒ずみが生じたりする可能性も。
すると、年齢を感じさせる見た目になるだけでなく、蒸れてかぶれたり、かゆみがひどくて掻きむしったりする原因となってしまうでしょう。
ホルモンの変化
年齢を重ねたことや日々のストレスによってホルモンバランスが変化すると、ターンオーバーが正常に働かなくなり、大陰唇が黒ずむ可能性があります。
特に、生理がある期間は黒ずみも現れやすく、とりわけ妊娠や出産によってホルモンバランスが変化する時期は、デリケートゾーンに色素沈着が起こりやすくなります。出産を終えても黒ずみが消えないこともあるため、お悩みになっている方も多いようです。
閉経後は徐々に色素が薄くなって黒ずみも解消される可能性もありますが、必ずそうとは言い切れないので、気になるようであれば早めにクリニックを受診しましょう。
ターンオーバーの乱れ
肌が乾燥していると、肌の正常なターンオーバーが乱れて大陰唇が黒ずみやすくなります。デリケートゾーンの皮が剥ける、カサつきを感じるという方は特に注意が必要です。
また、紫外線などでメラニンが生成されるのと反対に、大陰唇などは紫外線の影響を受けにくい部分では、メラニンを排出しようとする作用が働きます。
しかし、年齢を重ねたことや、下着などから常に刺激を受けていることによってターンオーバーが乱れていると、メラニンの排出がうまく行われず黒ずみを悪化させる原因になります。
大陰唇の黒ずみ治療は主に4種類
大陰唇の黒ずみを解消するために、デリケートゾーン専用のソープや化粧水などでケアされている方もいらっしゃるかもしれませんが、それだけで完全にお悩みをなくすのはなかなか困難です。
市販されているスキンケア製品は、今ある黒ずみを軽減するというより、これ以上黒ずみがひどくならないようにするためのものだと思っておきましょう。
本気で大陰唇の黒ずみを解消したいのであれば、クリニックできちんと治療を受けることが重要です。ここでは、クリニックで受けられる大陰唇の黒ずみ治療を4つご紹介するので、ぜひ参考になさってください。
外用薬
手軽に大陰唇の黒ずみを解消したい場合は、クリニックで処方される外用薬を使用することをおすすめします。
皮膚の黒ずみには「ハイドロキノン」と「トレチノイン」が使用されるのが一般的です。
ハイドロキノンはメラニン色素の生成を阻害する効果、トレチノインは肌のターンオーバーを促進する効果が期待できるため、どちらかを単体で使用するのではなく、併用した方がより効果的だとされています。
なお、皮膚が弱い方には内服薬もおすすめです。肝斑の薬として知られる「トラネキサム酸」には、メラノサイトの活性化や皮膚の炎症を抑える効果が期待できるので、大陰唇の黒ずみも解消できる可能性があります。
他にも「シナール」や「ユベラ」、「ハイチオール」などの内服薬が黒ずみに効果的です。どれを使用するかは、担当の医師とよく相談して決めましょう。
ケミカルピーリング
外用薬や内服薬では改善しなかったけれど、できるだけ負担の少ない治療を受けたいという方は「ケミカルピーリング」を受けてみるのもひとつの方法です。
ケミカルピーリングとは、酸の働きによって古い角質を除去し、ターンオーバーを促進する施術です。
最近では、ドラッグストアなどでもデリケートゾーンの黒ずみ用クリームが販売されています。しかし、期待したほどの効果が得られなかったり肌に合わなかったりすることもあるため、クリニックでケミカルピーリングを受けるようにしましょう。
クリニックでは、カウンセリングで患者さんそれぞれに適したピーリング方法を提案してくれます。皮膚に関する豊富な知識を持っている医師が診療を行うからこそ、より安全に早く効果を実感できるのでおすすめです。
なお、クリニックでピーリングを受けた後は、一時的に肌の角質層のバリア機能が低下しています。デリケートゾーンが乾燥しやすい状態になっているため、医師の指示に従って保湿などのスキンケアをしっかりと行いましょう。
レーザー治療
クリニックでは、ケミカルピーリングなど薬剤を使用する治療の他に、レーザーを用いて物理的に古い角質を剥がしていく治療も行っています。
炎症を起こさない程度のマイルドな出力でレーザーを照射し、皮膚の中に停滞しているメラニン色素を少しずつ破壊していくことで、黒ずみを解消します。
レーザー治療というと、皮膚が削られて薄くなってしまうのではないかと心配される方も多いですが、レーザーで削り取った皮膚は2週間以内に再生するので、そのような心配はありません。
黒ずみに対するレーザー治療は、1回の施術で効果を実感できることがほとんどです。より確実に黒ずみを除去したいのであれば3〜5回ほど施術を受けるようにしましょう。
大陰唇縮小術
大陰唇縮小術とは、大陰唇の黒ずみが目立つ部分をメスで切除して色や形を整える手術です。黒ずみが気になる部分を完全に除去することが可能であるため、見た目を美しく整えることができます。
メスを使用する手術というと、傷跡が気になるという方もいらっしゃるかもしれませんが、経験豊富な医師による手術を受けることで、仕上がりも綺麗で回復もより早くなるでしょう。
以下は、一般的な大陰唇縮小術の流れです。
1:カウンセリング
カウンセリングでは、患者さんの大陰唇の大きさを確認し、希望の大きさや形について相談します。疑問や不安なども全て解消され、手術を受けると決めたら、手術日の日程調整を行って予約をしてから帰宅しましょう。
2:麻酔
手術日に来院したら、デザインを最終確認し、手術前に表面麻酔や局所麻酔を施します。一旦麻酔を注入すると、手術中に痛みを感じることはないので、安心して手術を受けてください。
どうしても痛みが不安な場合、患者さんの希望により静脈麻酔などを併用してくれるクリニックもあります。カウンセリング時に相談しておきましょう。
3:切除と縫合
理想の仕上がりになるよう、大陰唇の余分な皮膚を切除して縫合します。
縫合する際は、傷跡ができるだけ残らないよう、極細の吸収糸(溶ける糸)を使って皮膚の内側を何層にも分けて丁寧に縫い合わせた後、表皮を縫合します。
4:アフターケア
手術後は状態を確認し、再度経過を説明したら終了です。入院の必要はありませんが、当日は長期間の歩行を避け、帰宅後は安静に過ごしてください。
吸収糸を使用している場合、クリニックによっては術後の検診がないこともありますが、心配であれば経過を診てもらうことをおすすめします。
大陰唇の黒ずみは美容皮膚科へ
大陰唇の黒ずみを解消する治療を受けるときは、美容皮膚科を受診しましょう。
なぜなら、デリケートゾーンの黒ずみは皮膚疾患ではないため、一般的な皮膚科では治療を受けられない場合もあるからです。
一般的な皮膚科は、炎症やかゆみ、膿みなど、保険適応の皮膚疾患を治療するのが目的です。大陰唇に炎症が起こっている場合は、一般的な皮膚科でも保険適応の治療を受けられますが、炎症が治れば治療は終了するため、黒ずみを解消することはできません。
一方、美容皮膚科は肌のトラブルや疾患を治療するだけでなく、肌を美しく整える治療も受けられます。
美容皮膚科で行う治療の多くは自由診療となるため、保険は適応されません。しかし、皮膚を美しくする技術や知識、経験も豊富なので、大陰唇の黒ずみを解消したい場合は、美容皮膚科で診察してもらうことをおすすめします。
まとめ
誰でもデリケートゾーンには多少の黒ずみはあるものですが、黒ずみの程度は人それぞれ異なるため、お悩みの方も多いことでしょう。
大陰唇の黒ずみ治療には、主に外用薬とケミカルピーリング、レーザー治療、大陰唇縮小術があります。どの治療が適しているか医師とよく相談し、予算も考慮した上で最適なものを選ぶようにしましょう。
「銀座Mitaクリニック」では、美容皮膚科、一般皮膚科の他に、形成外科の治療も行っています。
皮膚に関する知識と経験が豊富な女性院長が、責任を持ってカウンセリングからアフターケアまで担当いたします。大陰唇の黒ずみなど、デリケートゾーンに関する女性特有のお悩みについても「銀座Mitaクリニック」までお気軽にご相談ください。