小陰唇が腫れるとは?原因となる疾患や対処方法・予防のポイントを紹介
女性特有のお悩みとして多いのが、小陰唇に関する腫れや痛みなどです。小陰唇とは、陰部の左右にあるヒダのことで、一般的には左右対称になっています。
小陰唇は、下着やナプキンで蒸れたり、清潔に保てなかったりすることで、ダメージを受けてさまざまなトラブルを生じさせることがあります。
この記事では、小陰唇が腫れる原因となる疾患、疾患以外で小陰唇が肥大しているときの対処方法、それらを予防するためのポイントをご紹介します。
小陰唇の腫れが気になる、病気なのではないかと心配しているという方は、ぜひ参考にしてみてください。
小陰唇が腫れる原因となる疾患
小陰唇は刺激を受けやすい部位なので、さまざまなトラブルが生じることがありますが、中には病気が原因で腫れているケースもあるため、その場合は婦人科で治療を受ける必要があります。
まずは、小陰唇が腫れる原因となる疾患をご紹介します。
外陰炎
外陰炎では、以下のような症状が現れます。
- 赤み
- 痒み
- 痛み
- 出血 など
原因は、感染性と非感染性に分けられます。感染性の外陰炎は、カンジダ、真菌、大腸菌などの細菌が原因のこともあれば、トリコモナスやケジラミなどの微生物によるもの、ヘルペスなどのウイルスなどが原因となることもあります。
非感染性の外陰炎は、皮膚になんらかの刺激が加わることで発症したり、かぶれや小さな傷がきっかけとなったりするケースが多く、ナプキン、おりものシート、石鹸、月経血、通気性の悪い下着などが発症のきっかけとなります。
感染性の外陰炎の場合は、原因となっている微生物に有効な外用薬が処方されます。非感染性の外陰炎の場合は、炎症を起こす原因となっている物質を避け、かゆみなどの症状が出ている場合は外用薬で症状を緩和させます。
バルトリン腺炎
バルトリン腺炎では、以下のような症状が現れます。
- 赤み
- 熱感
- 腫れ
- 痛み
- 膿が出る など
バルトリン腺とは、左右にある分泌腺のことで、性交時などに膣を潤す潤滑液を分泌します。このバルトリン腺が細菌感染することで、炎症が起こることをバルトリン腺炎といいます。
原因となる細菌は、ブトウ球菌、連鎖球菌、大腸菌などが挙げられ、他にも性感染症の原因である淋菌やクラミジアなども原因となることがあります。
バルトリン腺が感染を起こすと、開口部周囲に炎症が生じて塞がってしまい、分泌物が溜まったままになってしまいます。その結果、バルトリン腺嚢胞に感染が及び、膿が溜まってバルトリン腺膿瘍と呼ばれる状態になってしまうこともあります。
軽度の状態であれば、感染の原因である細菌に効果を発揮する抗菌薬を内服し、外陰部を清潔に保ちながら経過観察を行います。
重度になると、バルトリン腺膿瘍の穿刺や切開が必要となり、それでも症状を繰り返す場合はバルトリン腺の摘出術が行われる場合もあります。
性器ヘルペス
性器ヘルペスでは、以下のような症状が現れます。
- 赤み
- 腫れ
- 痛み
- 痒み
- 水泡 など
性器ヘルペスは、単純ヘルペスウイルス1型(HSV-1)、単純ヘルペスウイルス2型(HSV-2)が性器に感染して起こるウイルス性の疾患です。
ヘルペスウイルス感染者との性的な接触によって感染する疾患で、感染者が無症状の場合もあるため、気付かずにパートナーに感染させてしまうこともあるので注意が必要です。
抗ウイルス薬を用いて、ウイルスの増殖を抑える治療が行われます。重症の場合は点滴が必要になることもありますが、体内のウイルスを完全に排除することは難しいとされていて、再発を繰り返してしまうこともあります。
接触性皮膚炎
接触性皮膚炎では、以下のような症状が現れます。
- かゆみ
- 炎症
- ただれ など
接触性皮膚炎は、いわゆる「かぶれ」のことで、刺激物質などの接触が原因で起こる湿疹性の皮膚炎です。
原因は多岐にわたり、汗、膣分泌物、石鹸、尿、入浴剤、硬水、脱毛クリームなどの化学的な刺激で起こることもあれば、きつすぎる下着、合成繊維の下着、トイレットペーパー、間違った洗浄など、物理的な刺激が原因となることもあります。
症状によって、非ステロイド抗炎症外用薬とマイルドなステロイド外用薬を使い分けますが、改善しない場合はストロングのステロイド外用薬を用いることもあります。
毛嚢炎
毛嚢炎では、以下のような症状が現れます。
- 毛穴のブツブツ
- 赤み
- 痛み など
毛嚢炎は、毛穴の奥にある毛根を包み込んでいる毛嚢(毛包)が炎症を起こしている状態で、ニキビのような症状が出ます。
毛穴が傷ついたときなどに炎症が起こることが多いため、脱毛後に発症しやすいのが特徴です。
軽度であれば自然治癒を待つ場合もありますが、症状が悪化している場合は、抗菌薬を使用したり、外科的処置を行ったりします。
疾患ではない場合は小陰唇縮小手術を
ここまでご紹介した疾患の場合、適切な治療を行うことで小陰唇の腫れを解消させることができますが、疾患ではない場合も、小陰唇縮小手術で改善可能です。
ここからは、小陰唇縮小手術について詳しくご紹介します。
小陰唇肥大とは
女性器の一部である小陰唇は、ふっくらとした大陰唇の内側にあるヒダのことです。「小陰唇が大きい気がする……」とお悩みの方は多いのですが、一般的に小陰唇は何cmが正常という基準はなく、個人差があるため、明確な定義があるわけではありません。
しかし、足を閉じた状態で、大陰唇から小陰唇が大きくはみ出してしまっている場合は、他の方に比べて大きめである可能性があります。
小陰唇の大きさは遺伝的要素が大きいのですが、思春期や妊娠、出産などホルモンバランスの影響を受けて小陰唇が肥大することも。
また、老化によって皮膚にハリや柔軟性がなくなり、支持力が弱くなることで全体のバランスが変わり、肥大したように見えると感じることもあります。
小陰唇が肥大していると起こること
疾患ではない小陰唇の肥大は、必ず治療するべきというわけではありませんが、以下のような症状が気になる方は、小陰唇縮小手術を受けるのがおすすめです。
- 自転車に乗ってとき違和感がある
- 座ったときに女性器が痛い
- 水着や下着を着たときの盛り上がりが気になる
- 性行為の際小陰唇が巻き込まれることがある
- 小陰唇の黒ずみが気になる
日常生活で違和感や痛みが生じている場合は、治療を受けることで日々のストレスを緩和させることができます。
また、小陰唇が肥大していると、月経や排尿の際にふき取り不足で菌を繁殖させてしまう可能性もあり、デリケートゾーンを清潔に保つのが難しくなります。
排尿がしにくいなどの機能的な問題があったり、パートナーの目が気になったりする方は、小陰唇縮小手術を検討するのも良いでしょう。
小陰唇縮小手術とは
小陰唇縮小手術は、余分な組織を取り除いて綺麗に形を整える治療です。
カウンセリングで大きさや形をしっかりデザインし、どの程度切開するか医師と相談したうえで、希望の大きさになるよう切開していきます。
血流がよく、粘膜上の組織であることから、手術後の傷跡は時間の経過とともにほとんどわからないようになります。
また、色素が濃くなっている部分を切除することで、気になる黒ずみも除去できるという特徴があります。
小陰唇の肥大や疾患を予防するためのポイント
小陰唇の肥大させることや、疾患を予防するためには、日常生活で注意するポイントが3つあります。
陰部を清潔に保つ
デリケートゾーンは尿や便に含まれるさまざまな細菌が潜んでいる場所であることや、蒸れやすいため不衛生になりやすい部位です。
不衛生な状態が長く続くと、炎症を起こす原因となるため、日ごろからデリケートゾーンを清潔に保つよう心がけましょう。
生理中はナプキンをこまめに交換することや、通気性が悪く蒸れやすい下着を着用しないなど、体に密着する衣類を選ばないようにすることも大切です。
正しい洗浄方法を学ぶ
デリケートゾーンを清潔に保ちたいからといって、過剰に膣内を洗浄してしまうと、自浄作用を持つ常在菌まで洗い流してしまうことがあります。
常在菌が洗い流されてしまうと、膣や外陰部での細菌感染を起こしやすくなるため、デリケートゾーンは正しく洗浄する必要があります。
デリケートゾーンを洗浄する際は、よく泡立てた石鹸で外陰部を優しく洗い、シャワーで流す程度で十分です。
膣内まで石鹸で洗ったり、ゴシゴシ洗って刺激を与えたりしないようにしましょう。
石鹸は、デリケートゾーン専用のものを選ぶと、肌への刺激を最小限に抑えながら、陰部を清潔に保つことができます。
無理な性行為は避ける
膣内が十分に潤っていない状態で無理に性行為を行うと、膣はもちろん、周辺の小陰唇もダメージを受ける原因となります。
無理な挿入によって小陰唇を巻き込んでしまうことも考えられるので、痛みを感じるなどの異変があれば、無理に性行為をしないようにしましょう。
膣の潤いが足りないと感じたら、ローションを使用するなど、体への負担が少なくなるようパートナーと工夫してみると良いでしょう。
まとめ
小陰唇の大きさはには個人差があります。人それぞれ顔の形や手の大きさが違うのと同じように、女性器の大きさも一定ではありません。
しかし、「人より小陰唇が大きいのでは?」とお悩みの方は、他人と比べることも難しい部位であることから、1人で悩み続けているというケースもあります。
腫れの他に、かゆみや赤みなど他の症状がある場合は、早期治療が必要となるため、早めに婦人科を受診することをおすすめします。
銀座Mitaクリニックでは、女性院長が患者様のお悩みを細かくヒアリングし、オーダーメイドの施術をご提案させていただきます。小陰唇縮小手術の他にも、美肌を叶える施術を数多くご用意しております。
デリケートゾーンに関するお悩みは、なかなか他人に相談するのが難しいと感じている方も多いですが、女性特有のお悩みに寄り添う銀座Mitaクリニックの女性院長とスタッフまでお気軽にご相談ください。