プロペシアをやめるとどうなる?4つの疑問にお答え
薄毛治療のためにプロペシアを飲んでいたけど、様々な理由でプロペシアの服用をやめようかと考えている。しかし、気になるのが「プロペシアをやめるとどうなるの?」という点です。
プロペシアをやめる人の理由は様々です。
- 子作りへの影響を考えて
- 満足できる状態まで薄毛が改善した
- 経済的な理由
などなど。プロペシアをやめるとどなるのか、その疑問にお答えします。
目次
プロペシアをやめるとどうなる?4つの疑問
プロペシアをやめた場合の影響について、よくある4つの疑問にお答えします。
AGA(男性型脱毛症)は進行してしまうのか?
結論から言ってしまえば、プロペシアの服用をやめれば再びAGAは進行します。つまり、せっかく薄毛が改善されていたとしても、また薄毛に逆戻りするということです。
プロペシアは薄毛体質を改善する薬ではない
プロペシアの効果は、還元酵素5α-リダクターゼの作用を妨げ、男性ホルモンの一種であるテストステロンが、AGAの原因となるDHT(ジヒドロテストステロン)に変化することを阻害するというものです。
DHTの発生を阻害するのはプロペシアを服用している間だけであり、薄毛体質を改善するというものではありません。よって、プロペシアの服用をやめれば再びDHTは発生しやすくなり、AGAは進行します。
ヘアサイクルが再び乱れ、抜け毛が増え軟毛が増える
薄毛の原因はDHTがヘアサイクルを乱し、抜け毛が増えて未発達の軟毛が増えることです。
ヘアサイクルとは髪の毛の成長から脱毛までの流れのことで、「成長期」→「退行期」→「休止期」を繰り返します。
薄毛ではない人のヘアサイクルは、「成長期」がおよそ2年~6年、「退行期」が2週間、「成長期」が3~4ヶ月あり、2年~6年で1周します。
しかし薄毛の人の場合、DHTによってこのヘアサイクルが大きく乱され、正常であれば2~6年ある「成長期」が数ヶ月~1年と大幅に短くなるのです。その結果、髪の毛は成長途中で抜け落ちてしまい、生えている髪も細く短い「軟毛」と呼ばれるものが増えてしまうというわけです。
プロペシアによってせっかくこのヘアサイクルが正常になっていたとしても、服用をやめれば再びヘアサイクルは乱れ、薄毛になります。
副作用はなくなる?
プロペシアには代表的な副作用として「リビドー(性欲)低下」「ED(勃起不全)」「肝機能の低下」といったものがあります。これらの副作用はプロペシアの服用をやめることで終息します。
しかし、ポストフィナステリド症候群(PFS)という例外も囁かれています。ポストフィナステリド症候群については後ほど詳しく説明します。
子作りはしても大丈夫?
プロペシアはⅡ型の5α-リダクターゼという還元酵素の作用を妨げる薬であり、精子への影響はありません。プロペシアの添付文書には以下のような記載があります。
精液移行(海外試験成績)
男性型脱毛症患者にフィナステリド1mgを1日1回6週間経口投与した時の精液中への移行量は極めて微量(投与量の0.00076%以下)であった。出典:プロペシア添付文書
上記のとおり、プロペシアの主成分であるフィナステリドが精液に移行するのは微量であり、子作りには影響はありません。筆者も妊活の経験がありますが、医師に相談しましたが特に問題はないとの回答でした。
しかし一方で、プロペシアの添付文書には以下のような記載もあります。
本剤の投与中止後に、精液の質が正常化又は改善されたとの報告がある。
この件については別のWebサイトで以下のように解説されています。
アメリカの生殖医学会の雑誌Fertility and Sterilityに掲載された論文を紹介しましょう。フィナステリドを飲んでいた男性14人について、服用中と、中止後の精子濃度を比較しました。服用中の平均濃度は1ミリリットルで1,320万でしたが、中止すると4,225万に明らかに上昇していました。
もう少し詳しく結果をみましょう。精子の量も、平均で11.6倍に増加していました。服用を中止した後に精子数が減少した男性はいませんでした。
この結果からわかることは、フィナステリドを服用すると精子の数が減少してしまう可能性があるということです。
出典:https://yomidr.yomiuri.co.jp/article/20131224-OYTEW54278/
以上のことから、妊活の本気度によっては念のため一時的にプロペシアの服用を中止するという選択をした方がよいもしれません。
ちなみに筆者の場合、子供を授かったのは40歳の時で年齢的にもかなり本気の妊活でした。プロペシアの服用をしていましたが1年間で3度妊娠(その内最初の2回は子宮外妊娠で流産)したことから、プロペシアによって精液の質が低下したという実感は全くありませんでした。
なお、プロペシアを妊婦が服用すると、男子胎児の生殖器の発達が正常に行われない危険があります。
プロペシアはDHT(ジヒドロテストステロン)の生成量を減らすことで薄毛改善の効果があります。ですが、DHTは乳幼児の男性器の発達に関わる要素でもあるのです。女性が飲むことはもちろん、触れることもしないように注意しましょう。
献血はできる?
プロペシアは服用後、肝臓によって代謝され、主成分であるフィナステリドが血液に吸収されて体内に運ばれます。つまり、服用中の血液にはフィナステリドの成分が含まれているということになります。
献血された血液は同姓に使用されてとは限りません。プロペシアを服用し、フィナステリドの成分が混ざった血液が妊婦、または授乳中の女性に輸血される可能性があるのです。
以上の理由からプロペシア服用中の献血は禁止されていますが、服用をやめて1ヶ月以上経過すれば献血可能となります。
プロペシアをやめるタイミング
プロペシアをやめようと考えているが、どのタイミングでやめるのが最も良いのかについて説明します。
ベストなタイミングというのは特にない
特にこれといったベストなタイミングはありません。なにかしらの理由により「やめよう」と思った日から服用をストップすれば良いでしょう。
ただし、プロペシアの服用をやめればAGAは再び進行します。抜け毛も増えます。急激な毛髪量の変化を避けたいのであれば、抜け毛が増える時期は避けた方が良いでしょう。
抜け毛が増える時期は夏の終わり~秋にかけてです。夏は紫外線や寝不足、クーラーによる頭皮の乾燥など、抜け毛が増える原因がとても多い季節です。夏に蓄積したダメージにより夏の終わりから秋にかけて抜け毛が増加するのです。
そういう意味では冬が始まる12月ごろがタイミングとしては良いかもしれません。
AGAが進行しても良いと思えたタイミング
毛髪量に対して一種の諦観の念が湧いてくるのは、40代になってからだと言われています。統計的にも髪の毛の悩みを持つのは30代がピークで、40代から落ち込んでいくからです。
プロペシアを止めるべきタイミングも同じことが言えます。AGAの進行を諦められるようになった時が、プロペシアをやめても大丈夫なタイミングです。
副作用により医師の指導があった時
まだまだ薄毛を改善したいという思いがあったとしても、副作用により体調に変化が出て医師から指導があった場合には服用を中止しましょう。
また、プロペシアの重大な副作用として肝機能障害があります。
943人に対して行われた使用成績調査にて、肝機能障害の副作用が発生したのは2名(0.2%)と発生確率は極めて低いですが、健康診断の血液検査にてAST(GOT)値、ALT(GPT)値、γ-GTP値の上昇が確認された場合は服用を中止するなど適切な処置を行ってください。
プロペシアを服用しながら出来る節約術
プロペシアの処方には健康保険が適用されません。費用はクリニックにもよりますが、プロペシアで1ヶ月分7,000円程度が相場です。
薄毛を治療してフサフサな状態を維持したいけど、金銭面の理由でやめようかと考えている人もいると思います。ここでは、そのような人に知ってほしい節約術をご紹介します。
ファイザーなどジェネリックに切り替える
プロペシアには同じ成分・同じ効果で価格が安いジェネリック医薬品が数多く存在しています。1ヶ月分の価格はプロペシアの7,000円程度と比べて6,000円程度と安くなっています。ジェネリック医薬品は、新薬と比べて研究開発費を抑えることができ、その分患者に安く提供できるのです。
代表的なジェネリック医薬品は「ファイザー」「サワイ」などですが、有効成分のフィナステリドはプロペシアと同じ量が含まれています。
個人輸入は危険なので活用しない
薄毛を安く治療する方法として、海外の薄毛治療薬の個人輸入があります。海外は医薬品の価格が日本よりも安く、日本で処方されるよりも安いというメリットがあります。
しかし、最近大きな問題になっている個人輸入代行業者を利用することは危険です。
個人輸入代行業者のほとんどは海外の法人ですが、その9割以上は薬事法に違反している違法業者です。また、製薬会社が共同で行った調査によると、個人輸入代行業者を経由して入手した医薬品の4割以上が偽造品であったという結果も出ています。
偽造品は全く効果がないのはもちろんのこと、深刻な健康被害も発生しており死亡したケースもあります。
また、違法に作られたプロペシアのコピー医薬品を「プロペシアのジェネリック」として安くで販売している業者も多く存在しています。コピー品ですのでどのような効果があるのか、どのような副作用があるのかも全く不明です。
プロペシアをやめても副作用は残る?
プロペシアには副作用がありますが、一般的に服用を中止すれば副作用も終息すると言われています。しかし、最近はプロペシアの服用を中止しても副作用が残る、ポストフィナステリド症候群(PFS)なるものの存在が噂されています。
ポストフィナステリド症候群(PFS)とは
ポストフィナステリド症候群は、ED(勃起不全)、性器に関する障害、疲労感と倦怠感と耳鳴り等、多くの異常があると言われています。この症状が問題視されているのは、収まることがないという点です。ずっと身体の不調と戦い続けなければなりません。
ポストフィナステリド症候群の今後の研究に注目
ポストフィナステリド症候群は確認されていますが、原因や治療方法は分かっていません。ただし、製薬会社や研究者はプロペシアの明確なリスクとして認識しています。
そのため、研究は少しずつ進展を見せており、将来的に解決が訪れるのは間違いないと考えられています。
ポストフィナステリド症候群になる確率
ポストフィナステリド症候群は心身に大きな影響を与えますが、発症確率はそれほど高くなく、プロペシアを服用して副作用を訴えた人のうちのおよそ5%だと言われています。
プロペシアによる副作用が5%ほどなので、プロペシアの服用者の約0.25%がポストフィナステリド症候群になる可能性があるということです。
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まとめ
- プロペシアは薄毛体質を改善する薬ではないため、服用を中止するとAGAは再び進行して薄毛になる
- プロペシアの服用を中止すれば副作用も終息するが、ポストフィナステリド症候群(PFS)という例外も囁かれている
- プロペシアの主成分であるフィナステリドが精液に移行するのは微量であり、子作りには影響はない
- ただし、プロペシアの服用を中止すると精子濃度が上昇したという研究結果もあり、妊活をしている人は服用を中止するのも検討すべき
- プロペシア服用中の献血は禁止されているが、服用中止から1ヶ月以上経過すれば献血は可能となる
- プロペシアをやめるタイミングとして、急激な毛髪量の変化を避けたいのであれば、抜け毛が増える時期(夏の終わり~秋)は避けた方が良い
- 副作用により医師の指導があった時は服用を中止する
- 血液検査にてAST(GOT)値、ALT(GPT)値、γ-GTP値の上昇が確認された場合は肝機能障害の可能性があるため、服用を中止するなど適切な処置を行う
石水 朋哉
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