妊活中の夫婦は要注意!プロペシア(フィナステリド)と不妊の関係
プロペシア(フィナステリド)はAGA(男性型脱毛症)の進行を遅延させる効果があり、AGA治療には欠かせない薬です。
しかしその一方で、ED(勃起不全)やリビドー減退(性欲減退)といった副作用が報告されています。
また、プロペシア(フィナステリド)はAGAの原因物質であるDHT(ジヒドロテストステロン)の発生を阻害しますが、DHTが男性ホルモンの変化したものであることから、
- 男性不妊の原因となるのではないか?
- 精液への影響はないのか?
- 胎児(男児)への影響が心配
といった不安を感じる妊活中のご夫婦も少なくないと思います。
ここでは、プロペシア(フィナステリド)と不妊の関係について説明するとともに、すでに服用中の人が知っておくべき注意点を説明します。
目次
プロペシアは不妊の原因となるか?
プロペシアは不妊の原因となるかどうかについて、プロペシアの添付文書に記載されている内容を元に説明します。
男性不妊の副作用が報告されている
結論から言えば、プロペシアの服用は男性不妊の原因となる可能性があります。
プロペシアは厚生労働省から承認を得るにあたり、48週間の臨床試験を行っています。臨床試験により報告された副作用についても添付文書に記載されています。
以下の画像は添付文書、「その他の副作用」の欄となります。赤線で囲んだ部分をご覧ください。
ハッキリと「男性不妊症」と記載されています。また、「射精障害」「精液量減少」ともあります。
「射精障害」「精液量減少」の頻度は1%未満と低く、また「男性不妊症」も「頻度不明」となっています。頻度不明とは、「自発報告あるいは海外において認められている。」ということであり、48週の臨床試験では発生が認められなかったということです。
よって、プロペシアを服用することで男性不妊症となる可能性は高くありません。しかし、服用する時には「妊活中」であることを医師に相談し、心配であれば服用は避けた方が良いでしょう。
プロペシアの添付文書全文は以下のリンク先をご覧ください。
EDや性欲減退により間接的に不妊となる可能性がある
射精障害や精液への影響といった男性不妊症以外にも、プロペシアの副作用によって間接的に男性不妊症となるケースもあります。原因となる副作用は以下の2つです。
- ED(勃起不全)
- リビドー減退(性欲減退)
上記2つはプロペシアの代表的な副作用として知られています。
当然ですが、EDになれば性行為自体が難しくなりますし、リビドー減退となれば性行為がなくなる、または回数が減少することで、間接的に不妊の原因となります。
プロペシアの添付文書には、48週における二重盲比較試験(本物と偽薬を使った検査)の結果が記載されています。調査の結果、「ED(勃起不全)」と「リビドー減退(性欲減退)」が認められた件数は以下のとおりです。
副作用 | 発生例(頻度) |
ED(勃起不全) | 2例(0.7%) |
リビドー減退(性欲減退) | 3例(1.1%) |
いずれも副作用が起きる可能性は高くありません。また、プロペシアは男性ホルモンに作用する薬ではないことから、男性機能や性欲に関する副作用は本来起こりえないのではないかという声もあります。
筆者にも二人の子供がいます。子作り期間中もプロペシアの服用を続けていましたが、特に問題はありませんでした。
しかし、妊活は期間が決まっていることですので、無事に子供が生まれたらまた薄毛治療を開始するほうが無難かもしれません。
精液への移行量はわずか
前述したプロペシアの副作用として、「精液の質低下(精子濃度減少、無精子症、精子運動性低下、精子形態異常等)」があると書きました。
しかし、これらはあくまでも副作用であり、プロペシアの有効成分であるフィナステリドが精液に移行するかどうかは別の話になります。
結論を言えば、フィナステリドは精液に移行しますが微量です。精液への移行量について、添付文書には以下のように記載があります。
精液移行(海外試験成績)
男性型脱毛症患者にフィナステリド 1 mgを 1 日 1 回 6 週間経口投与した時の精液中への移行量は極めて微量(投与量の0.00076%以下)であった。
妊活中の服用は医師に相談をし、心配であれば服用を中止する
プロペシア(フィナステリド)は医師処方薬であるため、ドラッグストアや通販で購入することはできません。必ずクリニックで医師から処方してもらう必要があります。
処方の際、医師からは注意点として「子作りの予定はあるか」といったことを聞かれることがあります。予定がある場合には素直に伝え、医師の判断に従って服用するようにしましょう。
最近では個人輸入代行サービスというものがあり、海外の医薬品を安く入手することが出来ます。しかし、個人輸入代行サービスから入手した薬の約4割が偽造品という調査結果もあり、どのような副作用があるかわかりません。妊活中の男性は利用すべきではありません。
個人輸入代行サービスのリスクについて詳しくは、以下のリンク先をご覧ください。
妊娠後の注意点
子供を授かり奥様が妊婦となり、「これでプロペシアが再開できる」と思われる男性も多いかもしれません。しかし、プロペシアの取り扱いは妊娠後も注意が必要です。
妊婦、授乳中の女性は服用、触れることも厳禁
プロペシアの添付文書には、冒頭に目立つよう赤線で囲まれ「禁忌」の記載があります。以下が抜粋した画像です。
次の患者には投与しないこととして、ハッキリと「妊婦叉は妊娠している可能性のある婦人及び授乳中の婦人」と記載があります。
プロペシア(フィナステリド)が薄毛治療薬として効果があるのは男性のみです。女性が服用しても効果はありません。それどころか、女性にとっては悪影響があります。
その理由について書かれた添付文書の抜粋した画像が以下となります。
記載されているとおり、妊娠している子供が男児である場合、男児胎児の生殖器官等の発育に異常が出る恐れがあるのです。
また、プロペシアが「粉砕・破損した場合、妊婦叉は妊娠している可能性のある婦人及び授乳中の婦人は取り扱わないこと」とも記載があります。これは、触れることでプロペシアの成分を皮膚から吸収してしまう可能性があるためです。
プロペシアの錠剤はコーティングがされていますが、破損してしまうとコーティングのない部分が露わになります。破損した場合は必ず男性が処理するようにしましょう。
子供の手が届かないところに保管する
プロペシアは20歳未満での安全性及び有効性は確立されていません。そのため、子供が誤って飲んでしまうことがないよう、目の届かないところに保管するようにしましょう。
特に、男の子の生殖器官の成長は思春期が過ぎるまで続きます。服用することで生殖器官に影響を与える可能性がありますので、十分に注意しましょう。
プロペシア休薬中の発毛にはスカルプD メディカルミノキ5がおすすめ
妊活のためにプロペシアを一時的に休薬しようと思った人もいるかもしれません。しかし、プロペシアの効果は服用中しか得ることが出来ません。休薬をすればAGAは進行してしまいます。
そんな時の発毛方法としてミノキシジル外用薬の使用があります。
不妊につながる副作用はない
ミノキシジルは唯一発毛効果が確認されている成分です。内服タイプもありますが、肝臓で代謝する内服タイプは副作用も強く、プロペシアを休薬している男性には強くおススメできません。
他にも育毛剤は数多くの種類が発売されていますが、その多くが「医薬部外品」です。効果は発毛ではなく「発毛促進」「抜毛予防」です。
ミノキシジルが配合されたスカルプD メディカルミノキ5は「第1類医薬品」です。宣伝でも「発毛する」「生える」と言えるのは医薬品として効果が確認されているからです。
ミノキシジル外用薬といえば大正製薬のリアップが有名ですが、スカルプD メディカルミノキ5はリアップX5プラスと同じ、ミノキシジルを5%含有した発毛剤です。どちらを使っても同じ効果が期待できると言っていいでしょう。
スカルプD メディカルミノキ5は公式サイトで4本まとめ買いをすると1本あたり6,750円となります。
スカルプD メディカルミノキ5とリアップX5の違いについて、詳しくは以下のリンクをご覧ください。
まとめ
ここまで、プロペシア(フィナステリド)と不妊の関係について、添付文書の情報を元に解説しました。
プロペシアの服用は、頻度は多くないものの間接的に男性不妊症の原因となる可能性もあります。妊活中の男性がプロペシアを服用する時には医師に相談し、副作用を十分理解したうえで使用しましょう。
また、プロペシアは女性が服用しても効果はありません。それどころか、妊婦や授乳中の女性が服用することで、男児胎児の生殖器官の成長に悪影響を与える可能性があります。
妊婦、授乳中の女性が誤って服用することがないよう、女性にも伝えておいてください。(できればこの記事をパートナーの女性と一緒にご覧になってくれることを望みます)
妊活中はプロペシアを一時的に休薬することも一つの選択肢です。休薬期間中は薬の効果も失われますが、その時にはミノキシジル外用薬を代わりに使用するなどし、休薬による薄毛への影響を最小限にとどめることもできます。
石水 朋哉
最新記事 by 石水 朋哉 (全て見る)
- 通院不要で治療費も節約!オンライン診療対応のAGA治療クリニックおすすめ4院 - 2020年4月29日
- 育毛剤がAGAの薄毛に効かない3つの理由と正しい対策 - 2019年3月22日
- 50代でも生える!原因を理解して始める3つの正しい薄毛対策 - 2019年3月12日