「ミノキシジルおよび振動圧刺激による作用記事の解明」記者発表会まとめ
薄毛対策の一つとして「頭皮マッサージ」があります。育毛剤をつけた後に効果を信じて一生懸命やっている人もいれば、効果について否定的な意見を持つ人もいると思います、
しかし、「頭皮マッサージは発毛に効果があるのか」論争に決着がつく時がきました。
結論から先に言います。
ミノキシジルを塗布して行う頭皮マッサージは発毛効果があります
ミノキシジルは単体でも発毛効果がありますが、振動の刺激を与えることでより効率的に発毛を促進させるということがわかりつつあるのです。
先日、AGA治療クリニック大手の「ヘアメディカルグループ」、元SMAPの草彅剛・香取慎吾を起用したCMで話題のメディカルミノキ5を発売している「アンファー株式会社」、「日本医科大学」が共同で開催した記者発表会がありました。
ありがたいことにAGA情報局にもご招待が届きましたので参加してきました。
ヘアメディカルグループの川島眞総院長が考案した頭皮マッサージである「川島式ヘアメディカルマッサージ」についても詳しく紹介します。
目次
記者発表会の概要
- 記者発表会名称
ミノキシジルおよび振動圧刺激による作用機序の解明 記者発表会 - 日時
2018年9月6日(木)11:00~12:00 - 会場
帝国ホテル 3F 鶴の間 - 登壇者
・ヘアメディカルグループ総院長 川島眞(かわしままこと)
・日本医科大学形成外科学教室 主任教授 小川令(おがわれい)
・日本医科大学付属病院形成外科 講師 高田弘弥(たかだひろや)
・日本コスメティック協会認定指導員 小田芙美子(おだふみこ) - MC:大橋規子(おおはしのりこ)
メカノバイオロジーを毛髪研究に活用した背景
まず最初に登壇されたのは、日本医科大学形成外科学教室 主任教授 小川令(おがわれい)氏です。
日本医科大学と言えば、ドラマ、映画で人気の「コード・ブルー -ドクターヘリ緊急救命-」の監修も行っていました。
お話されていた内容は専門的でとても難しかったのですが、内容をまとめると以下のような内容です。
- ケロイド(肥厚性瘢痕)のような目立つ傷痕を治療するには、皮膚が引っ張られる力をいかに弱めていくかというのが治療の方針
- 一方、なかなか治らない傷に対しては、力を加える治療(陰圧閉鎖療法)が必要になってくる
- 物理的刺激をコントロールする医療を日々考えながら開発し、よりよい傷の治療を考えている。
- 臓器や組織、細胞はどのように力を感じて何が起こっているのかを考えるのがメカノバイオロジーの研究領域である
- そして、メカノバイオロジーを医療に応用したものをメカノセラピーという
- 傷を早く治す、病気を解明することだけでなく、美容・抗加齢医療・再生性医療・ガンの治療まで応用できるのではないかと考えている
- 皮膚に物理的な刺激が加わったら何が起こるのか、マウスの皮膚を使って研究をしたところ、繰り返される物理的刺激によって細胞が増え、皮膚の新陳代謝が促進されることがわかってきた
- また、皮膚の血管を増やすことがわかり、細胞の遺伝子発現を変化させることがわかった
- 頭皮へ物理的刺激を与えたら、ひょっとしたら発毛を促進に有用なのではないかと着想に至った
- そこで、ヒトの毛乳頭細胞に物理的刺激を与える研究を行たところ、血流促進だけでなく、細胞レベルの毛周期(ヘアサイクル)を速める可能性が示唆された
- アンファーとパナソニックとの共同研究によって、マッサージ機の開発もやっている
とても難しい内容でしたが、一言でざっくりと言ってしまうと、
頭皮への物理的な刺激は発毛を促進させる
ということです。
ひと昔前の日本では、ブラシのような薄毛対策グッズが販売され、それを使って頭皮をトントン叩いていると世界から笑いものにされていましたが、考え方としてはあながち間違っていなかったということになります。
ヒト毛乳頭細胞に対するミノキシジルおよび振動圧刺激による作用機序の解明
続いて登壇されたのは、日本医科大学付属病院形成外科 講師 高田弘弥(たかだひろや)氏です。
こちらもお話されていた内容は専門的でとても難しかったのですが、内容をまとめると以下のような内容です。
- ミノキシジルは血管拡張剤として1950年代に誕生した
- 副作用として発毛効果が確認され、30年前の1988年にFDA(アメリカ食品医薬品局)によって発毛剤として承認された
- 日本では1999年6月3日に大正製薬より「リアップ」が発売された
- しかし、発売から30年経った現在もその発毛メカニズムの一部は解明されていない
- 研究は進められており、「カリウムイオンチャネル」を活性化し、それによって「VEGF(血管内皮膚増殖因子)」を産生し、発毛を促す信号を出すのではないかと言われている
- カリウムイオンチャネル活性化の部分を解明することで、より発毛が効率アップできると考えて研究をし、今回カリウムイオンチャネル活性化の視覚化に成功した
- 研究の結果、「非接触超音波」を使って細胞に振動圧刺激を与えることによって、カリウムイオンチャネルが活性化することがわかった
- マウスを使って実験によって発毛するかどうかを現在研究している
こちらも一言でざっくりとまとめると、
ミノキシジルと振動圧刺激はカリウムイオンチャネルを活性化させる
ということです。
ミノキシジルは服用や塗布するだけでも発毛効果がありますが、今後はより効率的な発毛が可能になるかもしれません。
川島式ヘアメディカルマッサージの紹介
続いて登壇されたのは、日本コスメティック協会認定指導員 小田芙美子(おだふみこ)氏です。
小川氏と高田氏の説明によって、ミノキシジルの使用と頭皮への物理的な振動刺激は発毛効果を促進させるということがわかりましたが、問題は「どのようにして振動刺激を与えるか」です。
そこで、ヘアメディカルグループ総院長の川島眞(かわしままこと)氏が「川島式ヘアメディカルマッサージ」を考案しました。
マッサージのやり方、注意点を小田氏が詳しく解説してくれましたが、文字でお伝えするよりも動画がありましたのでそちらをご覧ください。
川島式ヘアメディカルマッサージ(男性ver)
川島式ヘアメディカルマッサージ(女性ver)
共同研究の実績と今後の展望について
最後に登壇されたのは、ヘアメディカルグループ総院長 川島眞(かわしままこと)氏です。
お話いただいた内容を以下にまとめます。
- ヘアメディカルフループでは日本全国に6つの発毛医療クリニックを有しており、そこで臨床的な評価を行ってきた
- 評価に値する製品や機器を開発してきたのがアンファーという予防医学に貢献する会社である
- 日本医科大学、ヘアメディカル、アンファーの3つが共同で研究・開発を行っている
- 発毛に対して「基礎・臨床・開発」と3つの部門がタイアップしている組織は世界でも類を見ないグループである
- 様々なものを産み出して世に提供し、薄毛に悩んでいる人に朗報を伝えたいというのが我々の想いである
- 「現代の魔法使い」「波動の魔術師」と呼ばれる落合陽一氏が代表を務めるピクシーダストテクノロジーズ株式会社とともに、デバイスの開発に力を注いでいる
- 2020年頃までに、院内で治療を行える機器の開発を考えている。そして、ホームケア用に小型化した機器の開発を2021年までに行いたいと進めている
さらに2021年にはホームケア機器を発売予定ということで、薄毛で悩む男性にとっては朗報です。
最後に、取材に訪れたメディアとの質疑応答があり、予定通り12:00に終了となりました。
石水 朋哉
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