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97.8%が発毛実感!ミノキシジルの効果と副作用

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近年、ミノキシジルが薄毛治療の主流になりつつあり、世間一般の人にも認知され始めてきました。しかし、ミノキシジルの効果について知っている人はまだ少ないのではないでしょうか。

ミノキシジルは高い発毛効果を持つ成分で、世界90ヶ国以上で承認され薄毛治療に使われています。日本でも多くの人が発毛効果を実感し、長年愛用されています。薄毛になった様々な部分に効果があり、発毛が難しいと言われている生え際やM字部分にも効果的です。

ミノキシジルは、頭皮に塗る外用薬や服用するタブレットタイプ、頭皮に直接成分を注入する注射タイプなど、様々な治療法で用いられてその効果を発揮しています。

ここではミノキシジルの効果や仕組み、また副作用の種類と起きた場合の対処法などを詳しく説明していきます。

ミノキシジルの効果が出る期間について

「早く髪を生やしたい」「いつ生えてくるの?」といった声は薄毛治療を考えている人に付き物です。ミノキシジルは一体どのくらいの期間で効果があらわれるのでしょうか。

どのくらいで効果が出る?

個人差により効果が出る時期は様々ですが、一般的に髪は1ヶ月で1cm程度しか成長しないので発毛を実感するのに月単位での時間が必要になってきます。

以下の図はミノキシジル5%が含まれたリアップX5を長期投与(52週)し、発毛効果について被験者に「非常に良くなった」「良くなった」「少し良くなった」「変わらなかった」「悪くなった」の 5段階で評価してもらった結果です。

リアップデータ

出典:http://www.taisho.co.jp/riup/riupx5/data/

データによると、1ヶ月で効果を実感している人はほとんどいませんが、3ヶ月で約4割、6ヶ月で約8割、1年間で9割以上の人の薄毛が改善されたと実感しています。

ただし、人によっては発毛するまでに半年以上かかることもあるので、薄毛治療は根気がいるものだということを理解したうえで始められる方がいいかと思います。

効果はどのくらい続く?

ミノキシジルは使用している間は効果を発揮しますが、使用をやめると培われた髪を育てる力や環境が失われ、以前のように細く短い髪、もしくはそれすらも育たない状態に戻ってしまいます。

ただし、ずっと使い続ける必要はなく、満足いくまで髪が生え揃ったのであれば、あとはAGA(男性型脱毛症)を抑えるフィナステリド(プロペシア)やデュタステリド(ザガーロ)のみの服用に切り替え、ミノキシジルの使用はやめて大丈夫です。

ミノキシジルの発毛効果

発毛効果が高いといわれているミノキシジルですが、具体的にどれくらいの発毛効果があるのか、またどれくらいの量の髪が生えるのか詳しく説明します。

1年間で97.8%以上の薄毛が改善と医師が評価

以下の図はミノキシジル5%が含まれたリアップX5を被験者に長期投与(52週)した結果を、4週間毎に「著明改善」「中等度改善」「軽度改善」「不変」「悪化」の5段階で医師が評価したデータです。

リアップデータ

出典:http://www.taisho.co.jp/riup/riupx5/data/

データを見ると、「1年間で97.8%の人の薄毛が改善された」と医師が評価した結果が出ました。ミノキシジルを使用した個人の感想だけでなく、医師による客観的な目からも、1年間継続すれば9割以上の人に発毛効果があるということです。

1平方センチあたり、半年間で21.8本発毛

こちらもリアップの臨床試験データから得たものですが、下の図はリアップX5を使用した被験者の1平方センチメートル当たりの総毛髪数の変化をグラフ化したものです。

リアップデータ

出典:http://www.taisho.co.jp/riup/riupx5/data/

ミノキシジルを使用してから4週目は1.4本しか発毛していません。しかし時間が経つにつれ本数は次第に増えていき、半年では21.8本の発毛が見られました。これは1平方センチで見た本数なので、全体的に見ると数千本発毛しているということになります。

薄毛治療法の推奨度として最も高い「ランクA」を獲得

1900年に設立され、皮膚科学に関する研究を重ねてきた日本皮膚科学会が提出した、「男性型脱毛症診療ガイドライン」という資料があります。

下の図はそのガイドラインにおいて、AGA治療薬や育毛剤等に含まれる成分や薄毛治療法を「A~Dの推奨度」に分類して評価したものです。分類の詳細は以下のとおりです。

  • A・・・行うよう強く勧められる
  • B・・・行うよう勧められる
  • C1・・・行うことを考慮してもよいが,十分な根拠がない
  • C2・・・根拠がないので勧められない
  • D・・・行わないよう勧められる

男性型脱毛症診療ガイドライン

出典:https://www.dermatol.or.jp/uploads/uploads/files/guideline/1372913421_2.pdf

ご覧のとおり、その中で最高評価の「ランクA」を獲得したのは、ミノキシジルとフィナステリド(プロペシア)のみです。1980年代から薄毛治療薬として使われ続け、今でも多くの薄毛治療に用いられて結果を出しているという点で考えると納得の評価だといえます。

ミノキシジルで発毛する仕組み

発毛の仕組み

ミノキシジルになぜ発毛効果があるのか、実はそのメカニズムについてはまだすべて解明されていません。元々高血圧治療で使われていた薬で、その患者に相次いで発毛効果があらわれたため、薄毛治療薬として使われるようになりました。

しかし、研究も進んでミノキシジルが発毛する仕組みも徐々に明らかになってきました。ここでは研究結果から知ることができた発毛の仕組みを説明します。

多くの栄養素が毛包に届き発毛を促進する

ミノキシジルには血管拡張効果があります。血管が拡張されると血液が栄養素を運びやすくなるので、毛包に多くの栄養素が届きやすくなり発毛が促進されます。

この血管拡張効果は生え際など血管が少なく栄養が届きにくい部分にも効果的です。

アデノシンにより成長因子が分泌される

ミノキシジルは毛母細胞の活動を活発にして、アデノシンという物質を分泌します。そしてアデノシンはFGF-7(KGF)、IGF-1、HGF、VEGF、などの発毛に必要な成長因子の生成を促進します。

とくにFGF-7(ケラチン細胞増殖因子)に関してですが、これは毛母細胞の増殖を促進して、健康な髪と頭皮環境をつくる働きがあります。ケラチンは髪や爪、肌など形成する成分で、髪は99%がケラチンで構成されています。

AGA(男性型脱毛症)が進行するとFGF-7が減少して毛髪をしっかり育てられなくなります。資生堂の「育毛剤研究の概況とアデノシンの有効性」という文書には以下のように記載されています。

薄毛部由来毛乳頭細胞ではFGF-7 遺伝子の発現量が、非薄毛部に比べ約1/2に 減少していた。

(中略)

これらの実験結果から、男性型脱毛 の毛乳頭細胞では、FGF-7の産生量が減少し、 毛成長が抑えられている可能性が示された。

出典:https://www.shiseidogroup.jp/rd/doctor/informationletter/backnumber/pdf/2004_002_02.pdf

このように、FGF-7が減少すると発毛能力が落ちて髪が生えにくい環境になってしまうということがわかります。ミノキシジルでアデノシンを分泌して成長因子を増やしてあげれば、再び発毛能力を取り戻すことができるということです。

ちなみに、日本EGF協会で行われた「頭皮にFGF-7が入った溶液を塗布する」実験では、3ヶ月間で、男性10人中7人、女性10中9人の毛量に改善がみられたという結果が出ています。

生え際にも効果はある?

生え際

生え際は人の目につきやすく、この部分の薄毛を改善したいと思っている人は多いと思います。この気になる部分にもミノキシジルは効果があるのか説明します。

頭頂部、生え際、M字すべてに効果あり

ミノキシジルの発毛効果は強力で、頭頂部、生え際、M字に限らず、薄毛が気になるすべての部分に効果があります。もともと髪が生えていた部分に発毛を促す力があり、毛根が生きていればまたそこから髪を生やすことが出来ます。

逆に生えていなかった部分に髪が生えて顔中モジャモジャになるということはないのでご安心ください。

生え際の発毛にミノキシジルは必須

生え際の発毛にはミノキシジルがもっとも効果的で、多くのAGA治療専門のクリニックではミノキシジルによる薄毛治療が行われています。

ミノキシジルに並ぶ薄毛治療薬としてプロペシア(フィナステリド)やザガーロ(デュタステリド)がありますが、これらは主に薄毛を予防する働きがあるので発毛は期待できません。

タブレット、塗り薬、注射、種類によって効果は違う?

ミノキシジルには飲むタブレットタイプと頭皮に塗る外用薬タイプ、そして頭皮に注射する3つのタイプがあります。治療法の違いで効果や費用もどれくらい変わるのか、それぞれの特徴を説明します

タブレットの特徴

ミノキシジル

ミノキシジルを錠剤にしたもので、ミノタブと略されて呼ばれることがあります。服用すると成分が血液に溶け込んで全身に運ばれるので、AGA(男性型脱毛症)が原因で薄毛になりやすい生え際やM字部分の、発毛が難しい部分にも成分が届きやすく発毛に期待がもてます。

薬局などでは購入することができないので、クリニックで処方してもらう必要があります。費用は1ヶ月分(30錠)でおよそ10,000~15,000円です。

外用薬(塗り薬)の特徴

メディカルミノキ5

薬液を頭皮に塗って発毛を促す方法で、国内で承認されているミノキシジル含有の外用薬はリアップ(大正製薬)やスカルプD メディカルミノキ5(アンファー)があります。薬局で購入することができ、その際に薬剤師の指導を受ける必要があります。

3タイプの中では発毛効果が低いですが、その分副作用のリスクも低いので、多くの人が入手しやすく使いやすいという点で使用している人は多いです。

リアップとスカルプD メディカルミノキ5で買うならどちらが良いかですが、どちらもミノキシジルを5%配合しており同様の効果が期待できます。スカルプD メディカルミノキ5は公式サイトで4本セットを購入すると1本(1ヶ月分)あたり¥6,750です。

メディカルミノキ5公式サイトへのリンクバナー

スカルプD メディカルミノキ5とリアップX5の違いについて、詳しくは以下のリンクをご覧ください。

注射(育毛メソセラピー)の特徴

注射器

注射器で頭皮に直接成分を注入する方法です。3タイプの中では1番発毛効果が高く、「育毛メソセラピー」という治療名でAGA治療専門のクリニックで行うことができます。

クリニックによって成分の内容は異なる場合がありますが、この成分にはタブレットや外用薬にはない成長因子と有効成分が含まれており、高い発毛効果があります。また短期間の発毛も期待できるので、早く髪を生やしたい人におススメの治療法です。

育毛メソセラピーの効果

最近では注射器を使用せず、電気穿孔法(でんきせんこうほう)といわれるノンニードルタイプの針を使わない治療法を採用しているクリニックも増えてきていますので、注射が苦手な人でも安心して治療することができます。

費用は1ヶ月に1回の治療でおよそ70,000~80,000円前後です。1・3・6・12回コースがあり6~12回の治療を受けると効果的です。1回の費用は高いですが、タブレットや外用薬では髪が生え揃うまで数年かかるところを半年~1年程度に短縮することが可能なので、結果的にタブレットや外用薬を使い続けるより治療費を安くできます。

濃度によって効果は変わる?

ミノキシジルタブレットにはいくつかの濃度があります。濃度の違いによって効果は変わるのか説明します。

タブレットには主に3つの濃度がある

タブレットのミノキシジル濃度は2.5mg、5mg、10mgの3種類があります。濃度が高くなるにつれて費用も高くなり、5mgと10mgでは1,000円程度の差があります。どれも含まれている成分は同じで、違いはミノキシジルの濃度だけです。

濃度が違うと発毛効果にも違いがあり、濃度が高いほどその効果は高くなりますが、同時に副作用のリスクも高くなります。年齢や体質によっても影響の仕方が変わるので、体が弱い人は2.5mgまで、副作用が出づらい健康な人は10mgまでなど、発毛効果と副作用のバランスを考えて濃度が使い分けできるようになっています。

使い方の例として、はじめは2.5mgで様子を見て、体が慣れてきたら徐々に濃度の高いものにしていくというもので、この方法はクリニックでも推奨されています。2.5mgを1日2回に分けて服用するという方法もあります。

最初から高い発毛効果を期待して10mgを使用、または上限を超えて使用する人がいますが、これはリスクが高いのでおススメしません。薬との相性がまだわからず、人によっては強い副作用が出て体が危険な状態になることがあるためです。無理に高い発毛効果を望むのではなく、頭髪の状況や体質によってうまく使い分けるのが薄毛治療のコツです。

しかし自分で判断して濃度を切り替えていいのか難しいところがあります。自分の状態に合わせてベストな濃度の使い分けをしたいという人は、クリニックで医師に相談しましょう。

ミノキシジルの副作用

副作用

ミノキシジルは高い発毛効果に伴う副作用のリスクがあります。ここではミノキシジルを使用すると起きる可能性がある副作用を紹介していきます。

初期脱毛

ミノキシジルを使用すると初期の段階で起きる、一時的に抜け毛が増える副作用です。古く成長が止まった髪が、発毛効果で新たに生えてきた髪によって押し出されて抜け落ちてしまいます。しかし、これはミノキシジルの発毛効果がしっかり作用して新しい髪に生え変わろうとして起きることなので心配いりません。

初期脱毛の時期や期間に個人差はありますが、使用開始から2週間~1ヶ月ではじまり、発症からおよそ1ヶ月で治まることが一般的です。抜け毛が増えてミノキシジルを使う以前よりも薄くなってしまいますが、一時的なものなので新しい髪が生え揃うまで待つ必要があります。対策として髪型を変えたり、帽子を被ってごまかすという方法があります。

多毛症

ミノキシジルの発毛効果が頭皮以外に作用して体毛が濃くなる副作用です。濃くなる部分は外用薬では塗布した部分の近く、眉毛やまつ毛など顔周辺、タブレットは腕や足、全身に影響が出ることがあります。人によっては手のみ、足のみが濃くなったりと多毛になる部分に違いがあります。

ミノキシジルタブレット「LONITEN」の開発をしたファイザー社の添付文書には10人中8人の患者に多毛症の症状がみられたと記載されているので、多くの人はどこかしらの体毛が濃くなるのを実感することになるかもしれません。多毛症はミノキシジルの使用をやめると3~6週間で治まりますが、発毛効果もなくなってしまいます。

出典:https://www.accessdata.fda.gov/drugsatfda_docs/label/2015/018154s026lbl.pdf

体のむくみ

ミノキシジルは血管拡張効果があるのでむくみやすくなります。血液循環がよくなると血中濃度が薄くなります。濃度を正常に戻すために血管の外に余分な水分を排出して、そこに水分が溜まるとむくみになります。

入浴して汗を流しながらむくんだ部分をマッサージしたり、利尿作用のあるカフェインを含んだ飲み物などを飲んで水分を排出すると、むくみが解消できます。

動悸・めまい

血液循環がよくなり心臓に負担がかかると動悸が起きやすくなり、また血圧が不安定になるとめまいが起きやすくなります。対処法として外用薬のみに切り替えるか、使用しているミノキシジルの濃度を下げるなどしてみるといいかと思います。どうしても治まらない場合は使用を中断するか、病院で医師に診てもらいましょう。

肝機能の異常

肝臓が弱い方や、肝臓に負担をかけると肝機能障害になるおそれがあります。これは肝臓で成分を分解する性質をもつミノキシジルタブレットを服用すると起きる可能性があるといわれています。

肝臓は栄養素の代謝、解毒作用、胆汁を合成して体に不要なものを体外に排出するなど重要な働きをもつ場所で、負担をかけないためにも服用するタイミングは注意が必要です。他の薬と併用するときや、とくにアルコールとの併用は厳禁なので飲酒の前後5時間以内は薬を服用しないようにしましょう。

また、ミノキシジルを処方しているクリニックでは、肝機能の数値に異常がないかを確認するため定期的な血液検査を必須としているところがほとんどです。最近は海外のミノキシジルを個人輸入代行サービスで購入する人がいますが、医師の診察も検査もない個人輸入代行サービスはおススメしません。

まとめ

ミノキシジルは使用開始から2~6ヶ月で9割の人に発毛効果が出る。

使用をやめると発毛効果は失われ、ヘアサイクルも使用前の状態に戻る

1年間使用すると、97.8%の人が発毛効果を実感できる

半年間で1平方センチあたり21.8本の発毛が期待できる

薄毛治療の推奨度として最も高い「ランクA」

毛包に多くの栄養素を届け、発毛を促進する効果がある

アデノシンという成長因子の生成を促す物質を分泌する

頭頂部、生え際、M字部分、すべての部分に効果がある

発毛が難しい生え際部分には高い発毛効果のあるミノキシジルが最も効果的

外用薬、タブレット、注射の3タイプがあり、効果の高さも変わる

タブレットは2.5mg、5mg、10mgの3種類があり、濃度が高いほど効果も高い

初期脱毛、多毛症、体のむくみ、動悸・めまい、肝機能の異常などの副作用のリスクがある